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ここは,ぼくムッシュ・ダイトウのプライベートスタジオ。特別に,プロが使う写真テクニックやウラワザを紹介するよ。モノにして名カメラマンになってネ。 |
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このコーナーのバックナンバーもすでに45を数える。よくもまあ,毎回ネタがあるもんだなあ,と自分でも感心するくらいなんだ。写真撮影のテクニックは奥が深く,まだまだテーマとしては無限にあると言えるけど,今回は少し趣向を変えて,最近とくに気になっていることを書きたいと思う。 |
1.見事な景観 先月,岐阜に撮影取材に行った。主な目的はサクラの撮影だ。国内随一の「花の県」岐阜県には, 取材中,うわさを聞いて訪ねた場所がある。県のほぼ中心に位置する
一面の芝桜だ。時期的には最盛期をすこし過ぎていたけど,びっしりと咲いた芝桜は遠目でみると斜面いっぱいにべっとりとストロベリークリームを塗ったようだ。「芝桜の家」として今では有名になった国田さん宅の芝桜だ。お宅を訪ねて撮影させてもらうことにする。ご主人と思われる人物があらわれて「どうぞどうぞ,ご自由に」とにこにこしながら応対してくれた。撮影している間も,ここの存在を聞きつけた観光客がひっきりなしにやってくる。みんな驚嘆の声をあげながら写真撮影に夢中だ。川沿いの谷間,そこに現出した花の空間,自然環境のなかにみごとにとけ込んだ人工の景観だ。個人が自分のためにコツコツと作り,やがて人の目をも楽しませるようになる。それはけっして環境や景観を壊したりしない。そして今や県の花の名所にまでになった。もし,これが国や行政が計画したゼネコン土木工事だったら,こんなに自然にとけ込んだすばらしい空間が可能だっただろうか。 2.悲しい狭山湖ボクの家のそばに多摩湖と狭山湖という双子みたいな湖がある。東京の水がめになっている貯水池だ。湖にはワカサギやヤマメ,まわりの雑木林にはオオタカをはじめタヌキやイタチなども生息している,東京近郊の貴重な自然が沢山あるところだ。それに東京近郊ではめずらしい山桜がすばらしいところで,首都圏の中でも大自然にかこまれた景観は貴重なものだ。 実はボクが東京からこの近所に引っ越してきたのは,この2つの湖と,まわりの自然環境に 行ってみて腰が抜けそうになったね。周辺はきれいに 新しく舗装された歩道は車 3.なさけない「お江戸日本橋」 4ヶ月くらい前に日本橋周辺の撮影仕事があって何度か日本橋に出かける機会があった。現在の東京の日本橋ってみんな知ってると思うんだけど,あれはひどいもんだね。橋の上を高速道路が何本も交叉して,まともに日が当たらないほどだ。その下に真っ黒な水の川が 現存の日本橋は1911年に架け変えられた。そろそろ100年になろうかというこの橋は,当時流行したルネッサンス風の石橋でコンストラクションとしてもとりわけ力作なんだね。なんといっても日本橋は江戸のシンボルだし,これからもずーっと首都東京のシンボルであるべき橋だと思う。その日本橋の上に高速道路をかぶせて,「これで便利になった」なんて考えた当時のお役人たちのお寒い文化度に,ハラが立つんだよね。もしもだよ,セーヌ川にかかるポンヌフの橋の上に高速道路を造ったらパリの人たちはおそらくだまっちゃいないと思うし,まず完成前に反対運動で工事は中止だね。ヨーロッパなど景観文化に対して多少なりとも考える事の出来る国ではまず起こりえないことだね。多少お金はかかっても迂回するとかいくらでも方法はあったと思うし,何が何でもあそこを通らなければならない理由があったんだろうか。出来上がってしまったものにはあまり文句をいう人が少ないから「行政のだまし討ち」にあう。それが残念ながらこの国の特徴でもあるけどね。 |